【時事】新型コロナで横行するマスク転売。転売が駄目である理由

新型コロナウィルスの流行に伴い、世間ではマスクの転売が話題になっています。

転売の話になるといつもネット上で出てくるのがテンバイヤーによる「転売の何が悪い!」という開き直り。

自分も子どもだった頃はこの主張にハッキリとNoを突きつけられませんでした。

でも大人になった今なら転売がダメな理由を自分の言葉で説明できるようになったので書いておこうと思います。

転売はなぜダメなのか?転売が悪である理由

転売がダメな理由。それは

市場に悪影響を与えるから

です。

ライブチケットの例から考える転売がダメな理由

転売が最も盛んな分野としてコンサートのライブチケットがあります。

例えばあるチケットが定価1万円だとします。

テンバイヤーがそれを2万円で売った場合、予算2万円しかないファンはチケットを買ったら他はもう何も買えなくなってしまいます。

それは現地でのグッズだったりライブ内容を収録したDVDだったり様々ですが、とにかくそのライブ関連の市場に本来費やされていたはずの1万円はテンバイヤーに掠め取られ消えてなくなるわけです。

それが1人や2人ならまだしも、何百、何千人(何千万円)という規模になればアーティストへのダメージが無いわけがありません。

近年のライブはグッズ販売もかなり重要な収入源とされているようなので、テンバイヤーのせいでグッズの売り上げが減るとなれば商売あがったりです。

中にはテンバイヤーのせいでグッズ収益が伸び悩み、泣く泣くライブの規模を縮小したアーティストなんかもいることでしょう。

テンバイヤーはそのアーティストに思い入れも何も無いのでどうなろうがお構いなし。市場を食い尽くしたらイナゴの群れのように次のターゲットに移動するだけです。

しかし、テンバイヤーのせいでアーティストの売り上げが減って活動が縮小するなんてことになったらファンとしてはたまったもんじゃありません。

チケットの転売は音楽の未来を奪う

また、転売行為が蔓延してライブチケットが純粋な抽選ではなくなると収入に余裕のある大人しかライブチケットを入手できなくなります。

そうなると・・・

たまたま2人組チケットが当たった友達に連れられてライブに行ってみたらスゴイ感動して自分もファンになりました!

こういう若年層のファンは生まれなくなります。

どんなアーティストでも末永く活動するには新規のファンは必要不可欠です。

なので運営が意図していない資本主義の原理を勝手にチケット販売の場に持ち込むテンバイヤーは嫌われて当然です。

そういえば、2016年には音楽アーティストたちがチケット転売にNoを突きつける意見広告を出して話題を呼びました。

音楽ライブチケッチの転売反対広告

マスクの転売はどこからどう見てもダメ

それで本題。マスクの転売がダメな理由について。

これはライブチケットの話以上に単純明快で、テンバイヤーがマスクを買い占めればマスクを購入できない人も出てきて新型コロナがますます蔓延するからです。

言うまでもなく、新型コロナの拡大は国の経済全体を冷え込ませ長期的には日本で暮らすテンバイヤーにも悪影響を与えます。

極めて限定的な自分だけの利益を考えるならマスクの転売は正解かもしれません。

しかし、もっとマクロな視点で社会全体のことを考えると長期的には自分の首を絞めることにも繋がります。

それでもマスクの転売がなくならない理由

このように転売行為を糾弾すること自体は簡単です。

しかし、いくら正論を唱えてもそれで転売が無くなるかといえばそんなことはないでしょう。

なぜなら普通に真面目に働いて生計を立てるより転売した方が儲かるという現実があるからです。

ココをどうにかしない限り転売は永遠になくならないでしょう。

パチプロはパチンコが儲からない娯楽になったことで消えていきましたが、転売はジャンルを問わず応用が効くので転売=儲からない、という未来は訪れないでしょう。

法律で規制するにしてもマスク転売は闇市のように地下に潜ったそうなので、全てを無くすことも物理的に不可能でしょう。

新型コロナウィルスの流行に伴うマスクの転売

となると、転売を撲滅するには景気を良くして転売なんかするより普通に働いた方が遥かに儲かる・将来性があるという状況を作るしかありません。

しかしこれは日本経済そのものが良くならないことにはどうにもならない話。

人口減少で今後数十年間は下り坂確定の日本では難しいところ。

今回のマスク転売騒動は社会全体で大きな話題を呼びましたが、その背景まで考えると似たような転売問題は今後も定期的に発生しニュースになりそうです。

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