【時事】宇宙に行って「夢が叶った」と言う前澤友作から感じる違和感の正体

2021年12月 ZOZOの元トップである前澤友作氏が宇宙に行ってニュースになりました。

アホ面で「金持ちはすごいなぁ」と言う自分みたいな人もいれば、「宇宙なんて大したことない!」という嫉妬じみたことを言う小金持ちまで反応は様々でした。

ただ、SNSを見るとこれにあまり良い印象を持ってない人もそこそこいるように感じられました。

中に「金持ちの道楽だ」と揶揄する人もいて結構話題になっていました。

前澤友作氏の発言については自分も「ん?」と感じる所があったので、今回頭の中の整理を兼ねて記事にしてみた次第です。

宇宙旅行に行った前澤友作の違和感

違和感の正体。

それは金の力で宇宙旅行に行ったという事実を、本人は「夢は叶う」と表現した点にあります。

世の中のニュースなどを見れば一目瞭然ですが、何かを成し遂げた人がインタビューで「夢が叶いました」と言うのは、長年の努力や研鑽が実り結果に繋がったときです。

それは勉強だったりスポーツだったり仕事だったり人によって様々ですが、ともかく世間で「夢が叶った」という表現が使われる際は必ず努力というプロセスが入っています。

たとえば野球の大谷翔平や将棋の藤井聡太。

彼らは才能がズバ抜けているのはもちろんでしょうが、努力も人一倍やっているはずです。

そういう人物が優秀な成績を収め「夢が叶った」と発言するのであれば、そこに異論を挟む人はいません。

日本人宇宙飛行士である野口聡一さんや星出彰彦さんも私たち一般人では想像できないような努力の末に宇宙飛行士になったのでしょう。

そういう努力を重ねて宇宙飛行士になった人が宇宙から「夢が叶った」とツイートすれば、そこに違和感を覚える人はいないでしょう。

しかし前澤友作氏は違います。

そりゃ本人も宇宙に行くための訓練はしたのでしょうが、それは「努力」ではなく「準備」です。

彼がやったのは大金を積んで宇宙に行く権利を買ったという事実であり、それ自体に努力はありません。(お金を稼ぐことの努力はしたのでしょうが)

恐らく前澤友作氏と同等の金さえ積めば誰だって似たような体験はさせてもらえるでしょう。

そういう意味で、今回の件については「夢は叶う」というより「金の力夢を叶えた」といった方が正確でよりしっくり来る思いました。

前澤友作氏が札束風呂に入って両手に美女をはべらせながら「夢が叶った」とツイートするのであれば異論を唱える人もいなかったはずです。

本人がお金稼ぎのために努力したのは間違いないでしょうからね。

自分も爆笑しながらRTしたと思います。

しかし、今回の宇宙旅行について、「夢が叶った」というのは世間一般でいう「夢が叶った」とは認識のズレがありました。

金の力にものをいわせてるだけだから「夢は叶う」と言うのは違うだろ、と。

おそらくこう思う人が多かったのでしょう。それが違和感の正体だと思います。

前澤友作の過去

前澤友作氏はバスキアをはじめとしていくつかの絵画を買ったという話はありましたが、それは私たち一般人には関係ありません。

剛力彩芽と付き合っているというニュースもありましたが、それも私たち一般人には関係ないのでゴシップ好き以外は大して食いつきませんでした。

前澤友作が一躍有名になったのは2020年にお年玉懸賞企画としてTwitterで現金プレゼントをやりはじめたときからです。

金の力で人の衆目を集めようとする姿は正直みっともないというか、小物くさいというか・・・

これを白い目で見る人は沢山いました。

前澤友作を絶賛する人間は懸賞企画に応募していて、彼を否定する人間は懸賞企画には応募せず。

人間って現金なもので、まー分かりやすいですね

あの人がチヤホヤされるようになったキッカケはこの札束ビンタですが、それ以前はポジティブな話題は少なかった印象です。

むしろ功罪でいえば「罪」の悪いネタの方がよく目に入ってきました。

ZOZO加盟店からブランド棄損で不満が出ていたことや、送料に不満を漏らす客のツイートをわざわざエゴサーチで探し出して罵倒した件など。

客に「お前みたいな奴は二度と注文しなくていいわ」 ZOZOTOWN社長暴言ツイートで謝罪

2012年と随分古い出来事なので知らない人も多いかもしれません。

しかし本人のこういうダークな一面を知っている人間であれば、まぁ色々と思う所があるのも頷けます。

こういう過去を知っている人間であれば、今回の彼の発言にも苦言を呈したくなるのは理解できます。

金の力で前澤友作と同じことをできる人は沢山いる

世間では前澤友作がもの凄い人としてやたらめったら持ち上がる風潮がありますが、彼がやっていることは金の力で世間の衆目を集めているにすぎません。

そして、前澤友作と同じかそれ以上の金持ちは日本国内だけでも沢山います。上には上がいる、ってやつです。

2021年の日本の長者番付は以下の通り。

 

  1. 孫 正義 4兆8920
  2. 柳井 正 4兆6270
  3. 滝崎武光 2兆8420
  4. 佐治信忠 1兆690
  5. 永守重信 9920
  6. 高原豪久 8810
  7. 三木谷浩史 8260
  8. 似鳥昭雄 5730
  9. 重田康光 5620
  10. 毒島秀行 4850
  11. 野田順弘 4740
  12. 伊藤雅俊 4520
  13. 安田隆夫 4410
  14. 森 章 4300
  15. 土屋嘉雄 一家 4190
  16. 三木正浩 4080
  17. 小林一俊・孝雄・正典 3970
  18. 襟川陽一・恵子 3640
  19. 宇野正晃 3530
  20. 大塚裕司 3420
  21. 木下盛好 一家 2860
  22. 多田勝美 2540
  23. 荒井正昭 2530
  24. 栗和田 榮一 2480
  25. 山田 進太郎 2420
  26. 福嶋康博 2310
  27. 内山 洋・靖子・秀 2260
  28. 多田直樹・高志 2200
  29. 武井博子 2100
  30. 前澤友作 2090

そう、あれほど世間でチヤホヤされている前澤友作ですが、実は長者番付でいえば30位と全然すごくありません。(年齢の割に資産が多いって点ではスゴイですが)

資産も1位の孫正義の4兆8920と比べると2090億しかありません。20倍以上もの差があるわけです。

前澤友作が以前やったお金配りキャンペーンは確か100万円を100人に配布(計1億)でした。

でも日本に29人いる彼より上位のお金持ちは誰もそんなことはやっていません。

大金を積んで宇宙旅行、なんてこともやってません。

現金をバラ撒いて一般人から注目を集める彼の行為について、金持ちのコミュニティ内で前澤友作がどういう評価を受けているか想像すると、他人事ながら悲しくなってきます。

前澤友作が宇宙に行った件について まとめ

前澤友作が金で何かをやったというニュースを見る度にクラピカのこの言葉を思い出します。

まさに今の前澤友作にピッタリ当てはまりそうな言葉です。

とはいえ、前澤友作氏は一代で成り上がった、いわゆる成金。

今回も宇宙からお金配りキャンペーンを検討しているようでビックリしましたが、元々は私たちと同じただの一般人です。

そのことを思うと周囲から白い目で見られるような下品なお金の使い方をしても、そこに不思議はありません。

自分だって仮に億万長者になって金銭欲で満たしたい欲望を全て叶えたら次は世間からチヤホヤされたくなってお金配りキャンペーンとかやってたかもしれません。

自分を含め前澤友作の言動に違和感を覚える人は、恐らく生活するのに困らないだけの貯金と毎月の収入があって、精神的にも安定しているからこそ、そんな風に思えるのでしょう。

明日食うものにも困っていて今月の家賃すら危ない生活に困窮している人々が藁にも縋る思いで前澤友作の下品な企画に飛びついてしまうのは仕方ないことだと思います。

自分はとてもそれを責める気にはなれません。

そういう意味で、カネで人の関心を買い承認欲求を満たそうとする品性下劣な成金がチヤホヤされてしまう昨今の日本はそれだけ貧しい人が増えたといえるかもしれません。

前澤友作による現金配布抽選ツイートがTwitterにおいて世界最多となるリツイート数を記録してしまったという話も、この国の凋落っぷりをよく表しています。

そりゃ溜息の一つや二つも出ますね。悲しいなあ

コメント