平成アニメ史に残る大傑作、アニメ版『頭文字D』を見よう!!!

今回ご紹介するのはアニメ版『頭文字D』

自分はオタクじゃないのでアニメ全般のことは大して詳しくありません。

でも漫画原作のアニメに限っていえば頭文字Dの右に出る作品は無いんじゃないかと思うくらい本作は完成度が高く、今なお国内だけでなく海外からも高い評価を得ています。

今回はそんなアニメ版 頭文字Dについてご紹介します。

ほんっっっっっとうにオススメの映像作品なので未視聴の方はこの機会にぜひ一度見てみてください。

U-NEXTAmazon プライム・ビデオなどを使えば無料お試し期間中にタダで視聴できるのでおススメです。

頭文字Dの概要、あらすじ

『頭文字D』(イニシャル・ディー) は、しげの秀一による走り屋をテーマにした漫画作品。

および、漫画を原作にしたテレビアニメ、映画。通称「イニD」。

『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて1995年30号から2013年35号まで連載された。

峠道において自動車を高速で走行させることを目的とする走り屋の若者たちを描いた作品である。

Wikipediaより抜粋

頭文字Dはその知名度の高さから、未読の人でも一度や二度は名前くらい耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。

原作は1995年~2013年と実に18年も及ぶ長期作品で、本作が若者に与えた影響は計り知れません。

そのあまりの人気ぶりから頭文字Dの真似をする若者は後を絶たず、連載が終了した今も定期的に事故が起きている始末。

この作品のせいで一体どれだけの若者が尊い命を失ったことやら。

もし自分が神様から有害指定図書を一つ指定できる権利を与えられたら、間違いなく本書を指定します。

ギネス世界記録に若者を最も死なせた漫画なる項目があるなら、間違いなく本書が選ばれるでしょう。

本作はそれくらい功罪でいえば「罪」の部分が大きい作品ですが、「功」の部分も物凄いため今なお国内だけでなく海外からも絶大な支持を得ています。

ここがイイ!!!アニメ 頭文字Dの見どころ

青春ドラマとして単純に面白い

頭文字Dは公道バトルを主とする車漫画と思われがちです。

しかし本作がここまで爆発的にヒットしたのはその本質が王道青春ドラマだったからに他なりません。

公道レースはあくまで作品を形作るための題材であって、本作の売りは主人公の成長や魅力的なキャラクターたちが織り成す青春物語の部分だったといえます。

その証拠に、アニメは主人公の藤原拓海の青春要素にウェイトを置いた1st Stageが最も高い評価を得ています。

そしてレースシーンばかりになる4th Stage以降はライト層がふるい落とされディープな車オタクでないと付いていきにくい作品となりました。

ちなみに、

  • 1stStage・・・高校3年の夏休み
  • 2ndStage・・・高校3年の秋
  • 3rdStage・・・高校3年の秋~卒業
  • 4thStage・・・高校卒業後

といった具合で物語は進んでいきますが、3rdは劇場版なので若干駆け足すぎで、4th以降は純粋な公道バトル漫画になるので敷居がちょっと高くなります。

個人的にはアニメ版頭文字Dは1stと2ndが最も面白いと思っています。

 

本作は主人公の藤原拓海が高校3年の夏休みを迎えるところから物語が始まります。

この18歳、高校最後の夏という青春真っ只中な設定からしてワクワク感が止まりません。

これから何かが始まりそうな期待と予感が視聴者を物語にグイグイ引き込みます。

そして実際に主人公の拓海は家でも学校でもない、走り屋の世界に半ば巻き込まれるような形で身を投じることになり、その世界でのし上がっていきます。

  • 友達以上・恋人未満である茂木なつきとの関係
  • 自分が愛車ハチロクに対して抱いていた感情の変化
  • 走り屋での体験を通じて自分の本当にやりたいことを模索する姿など…

本作は恋愛漫画でも部活漫画でもありません。

しかし、そこに描かれているのは紛れもない王道青春ストーリーです。

平成初期を思い出させてくれるノスタルジックな描写

本作の舞台は199X年の群馬。

この時代はまだ商店街にも活気があり、今のようなシャッター通りにはなっていません。

藤原家は豆腐屋として生計を立ており、父親の文太は煙草を吸いながら豆腐を作っている有様。

主人公の実家が豆腐屋

携帯もまだ一般的ではないので仲間とのやり取りは自宅の固定電話がメイン。

ヒロインからの電話に父親が応対し主人公がそれを恥ずかしそうに取る描写などは平成当時を生きていた人間なら共感できるでしょう。

物語初期はまだインターネットも無いため情報の入手先は雑誌や地元コミュニティの口コミがメインで、ビデオテープもバリバリ現役です。

バイト休憩中に食い入るようにビデオを見る様子

また、今では「パパ活」にすっかり置き換えられてしまった売春行為もしっかり援助交際として描かれており、当時の世相が伺えます。

1話の時点で援助交際をしているヒロイン

二十歳そこらのフリーターが車いじりに夢中になって週末の夜は毎晩峠に繰り出す描写も物価高に苦しむ令和の今では考えられません。

いかに当時の日本経済が豊かだったかを本作は思い出させてくれます。

週末の交流戦に備えてタイヤを新調するバイト先の先輩

このように、アニメ頭文字Dでは平成初期を生きていた人々の暮らしぶりや価値観がリアルに描かれているので、本当にノスタルジックな気分に浸れます。

そして最後にこれが一番重要なのですが、本作はデジタルが普及する前、1998年の作品なのでセル画作品です。

セル画によってセル画時代の街並みと人々を描写しているわけですからリアルそのもの。

映画『ALWAYS 三丁目の夕日』のような制作サイドが狙って作った“まがい物”の「昭和」のような違和感が頭文字Dにはありません。

本作は平成初期、地方都市の情景を思い出ささせてくれる稀有な作品です。

狭いコミュニティでNo1を目指すことへの共感、懐かしさ

アニメ頭文字D 1stStage(全26話)は、ひょんなことから秋名山No.1の走り屋になってしまった主人公・藤原拓海が、自分を倒そうと次々挑んでくる敵キャラに勝ち続ける形で話が進みます。

そして最終戦では群馬No.1の走り屋、高橋涼介がラスボスとして拓海に勝負を挑むのですが、拓海は見事これに勝利。

群馬最速の称号を手にし物語は2ndStageに続く・・・という形で幕が下ります。

そう、1stStageはアニメ26話も使ってやったことが主人公は群馬最速の走り屋になりました、ということだけ。

このスケールの小ささは1stStageだけに留まりません。

その後、2ndStageからFinalStageまで1995年~2013年の18年(アニメ81話)も使って主人公たちが最終的に成し遂げたのは北関東制覇だけ。ここで物語は完結します。

まるでチープな暴走族漫画のようなスケールの小ささです。

普通のアニメだったら81話もあれば日本一どころか世界一も達成していそうですが、頭文字Dがやったのは北関東制覇。

しかし個人的にはこの小さなコミュニティの中で必死にもがき頂点を目指す姿こそ、頭文字Dの魅力の一つでもあると思っています。

たとえば作者のしげの秀一は現在『MFゴースト』という頭文字Dの続編にあたる漫画を連載しています。

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しかしこちらが描いているのは素人の公道バトルというよりプロのモータースポーツの世界。

登場する車種も物語のスケール感も頭文字Dとは全く異なり、そこに一般人の読者が共感や親近感を抱く余地はありません。

それに比べて頭文字Dは普通の高校生や大学生、フリーターが地元の意地走り屋としてのプライドという傍目にはどうでもいい些細な物の為に必死で頑張ります。

ただの一般人である視聴者からすれば、頭文字DとMFゴーストのどちらに共感・没入するかは言うまでもないでしょう。

主人公・藤原拓海にとって走り屋の世界は家でも学校でもない、いわゆるサードプレイスにあたります。

頭文字Dの初期はまだインターネットが無いので、日本各地に散らばる共通の車趣味を持つ人たちと友達になる、なんてことがありません。

あくまで地元の、いわゆる半径5メートルの世界だけで生きています。

そのような狭いコミュニティ内で仲間たち笑い合い切磋琢磨して頂点を目指すという体験は男子であれば誰しも一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか。

自分たちの地元に攻めてきた外部のよそ者を返り討ちにして喜ぶ走り屋チーム

走り屋コミュニティでなくても、近い例でいえばゲームセンターなどがこれに当たるでしょう。

若者の絶対数が減り、地方のコミュニティがどんどん消滅に向かっている現代でもこれは変わっていません。

街の喧嘩自慢が腕っぷしを披露するような企画がYoutube上で人気を博していることからも分かるように、基本的に男子という生き物は他人との競争が好きで1番を目指したがる性質があります。

そういう理由から頭文字Dに登場する若者たちの等身大の姿には感情移入しやすく、まるで自分ごとのように夢中になって視聴できます。

実在する車が実在する峠道で公道バトルを繰り広げる興奮

ノスタルジックな描写に関連して、頭文字Dでは実在する車が実在する峠で公道バトルを繰り広げます。

そのため視聴者は誰でも主人公・藤原拓海と同じように作中に登場した峠道を実際に走ることが可能です。

アニメや漫画にチラっと映る場所をファンが聖地巡礼するのはよくある話で、スラムダンクのOPに出てきた踏切などは特に有名です。

バスケとは無関係の単なる踏切ですらこの人気ぶりなわけですから、聖地がただの背景に留まらず作中で熱い公道レースを繰り広げた場(主役)であり、自分もそれを追体験できるとなればこれに興奮しない人はいないでしょう。

その証拠に、漫画の連載終了から10年経った今でもYoutube等で頭文字D を検索すると、それらしい動画が山のように出てきます。

自転車、囲碁、バスケ、ギターなどなど・・・漫画やアニメの影響でブームが沸き起こるのは何も今に始まった話ではありませんが、頭文字Dはその先駆け的存在です。

本作に登場する車は現在だとどれも高騰しており、特に主人公が乗るトヨタ・AE86は信じられないほどのプレミア価格がついているそうです。

このことからも本作がどれだけ人々に愛されているかが伺えます。

時代遅れのハチロクで次々と強敵を破っていくカタルシス

本作主人公の藤原拓海は普段はボーっとしている天然キャラ。

メカのことは何も知らず仲間内からも頼りないダメなやつ扱いされる存在です。

乗っている車は10年以上前のボロいAE86(ハチロク)で、ダサい藤原とうふ店(自家用)というステッカーが貼られているオマケ付き。

しかも豆腐の配達に使っている社用車。

とてもじゃありませんが公道バトル用にチューンされた最新のマシンには太刀打ちできそうには見えません。

しかしひとたび拓海がハンドルを握るとハチロクは驚異的なスピードを見せ、その卓越したテクニックも相まって次々と強敵を撃破してきます。

この普段はダメな主人公→実はすごい実力者→次々と敵を撃破→周囲からは拍手喝采、というプロットは多くのエンタメ作品に使われている古典的な手法です。

これ自体は別に優れているわけではありませんが、それでもやっぱりこの王道展開は面白い。

毎度お決まりの展開をなぞる水戸黄門が飽きられず40年も続いたのと同じで見ていて痛快です。

特に2nd Stageではいかにも感じの悪い敵キャラクターが出てきて、痛快さに拍車がかかっています。

公道バトルにマッチしすぎているユーロビートの存在

漫画と映像作品には様々な違いがあります。

頭文字Dもその例に漏れず、声優の熱の入った演技や、映像ならではの車の細かい動きなど、その魅力を語り出したらキリがありません。

が、アニメ頭文字Dには絶対に外せない要素として挿入曲の存在があります。

本作では公道バトルの挿入曲としてユーロビートを採用しており、これが理屈抜きでメチャクチャかっこいい!!!

公道バトル×ユーロビートの組み合わせはアンパン×牛乳、ハンバーガー×コーラと同じくらい相性抜群。

実在する車がユーロビートをバックに夜の峠道をハイスピードで駆け抜けていくカッコよさは映像作品だからこそ成り立つものです。

この組み合わせを最初に発案した人はセンスの塊、控え目にいっても天才だと思います。

その証拠に、Youtubeで「initialD BGM」と検索すると再生回数1000万越えがゴロゴロあり、最も再生されている動画に至っては再生回数1.5億という途方もない数字を叩き出しています。

本作に登場するキャラクターはどちらかといえばダサい、いわゆる車オタクの陰キャ・チー牛みたいな人物が大多数を占めます。

それとのギャップもあってアニメ本編で流れるユーロビートはカッコ良さがより際立ち、まさにダサカッコイイを地で行っています。

そして本作はユーロビートによって漫画ではできないアニメ独自の演出が数多く盛り込まれており、それがエンタメ性を一段階引き上げ視聴者を大いに沸せることに繋がりました。

自分が頭文字Dは「漫画版」より「アニメ版」の方が優れていると感じる理由も、このユーロビートにあります。

アニメ頭文字Dは見て絶対に損はない至高の作品

アニメ 頭文字Dの魅力についてまとめてみました。

  1. 青春ドラマとして単純に面白い
  2. 平成初期を思い出させてくれるノスタルジックな描写
  3. 狭い世界でNo1を目指すことへの共感
  4. 実在する車が実在する峠道で公道バトルを繰り広げる興奮
  5. 時代遅れのマシンで次々と強敵に勝っていくカタルシス
  6. 公道バトルマッチしすぎているユーロビートの存在

ざっと挙げただけでもこれだけの魅力がアニメ頭文字Dには詰まっています。

車オタクの人であればこれに加えて4th Stage、5th StageあたりからのCGのクオリティの高さも魅力の一つとして挙げるかもしれません。

自分がこの作品を知ったのは大学4年の頃。通っていた自動車教習所の本棚でたまたま本書を手に取ったのがキッカケでした。

そこからアニメ版の存在を知りドハマりして現在に至ります。なお、この作品の影響で自分は車を運転する際は左足ブレーキをしています。

 

 

頭文字Dは公道バトルを題材にしつつも、その本質は王道青春ドラマです。

そのため車のことを1mmも知らない人でも十分楽しめる内容となっています。

これは囲碁のルールを全く知らなくても楽しめた『ヒカルの碁』に通じるものがあります。

本作はとても人気の高いのでU-NEXTAmazon プライム・ビデオなどの無料お試し期間を使えばタダで視聴できるのも有難いところ。


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ほんっっっとうにオススメの作品なので未視聴の方はこの機会にぜひ一度ご覧ください。

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