デンソー期間工が実際にやっている4つの仕事について

このページではデンソーの期間工が任される仕事について、自分の知る限りの内容をなるべく具体的にまとめてみました。

自分はデンソー期間工になるまで肉体労働はぜんぜんしたことがなく不安でしたが、今日まで何とか食らいついていけています。

ですので製造業未経験で不安な人の参考になれば幸いです。

デンソー各製作所の仕事内容

まず、デンソーの製作所は複数あり各製造所はそれぞれ異なる製品を作っています。以下はその一覧です。

  • 安城製作所
    スタータ、オルタネータ、インバータ、MG
  • 西尾製作所
    カーエアコン、ラジエータ、電子制御式ディーゼル・ガソリン燃料噴射装置
  • 高棚製作所
    情報通信関係製品、走行安全関係製品、半導体デバイス/センサ関連製品
  • 大安製作所
    点火系製品、先進安全関係製品、動弁系製品、駆動系製品、吸排気系製品
  • 幸田製作所
    IC、電子制御製品
  • 豊橋製作所
    カーエアコン、サーボモータ モジュール、自然冷媒CO2家庭用ヒートポンプ給湯機
  • 阿久比製作所
    生産設備、熱流センサ、LCPモジュール基板
  • 善明製作所
    電子制御式ディーゼル燃料噴射装置
  • 湖西製作所
    ワイパシステム・パワーウインドウモータ等、自動車用小型モータ
  • 豊橋東製作所
    ブロワモータ・クーリングファンモータ等、自動車用小型モータ

このように作っているものがまるで別物なので仕事の種類も多種多様

通常は建屋内での作業が基本ですが、それ以外にもクリーンルーム(CR)内での作業もあり、CR内でも職服・防塵服・クリーンスーツ着用など、現場によって細かい点が分かれます。

一日まったく汗をかかず少しも汚れない職場から、油にまみれる、有機溶剤を使用する、鉛を扱う、重量物を取り扱う、熱処理、溶接、建屋内外を移動する職場など・・・

工場といってもその種類は多岐に渡るので、デンソーの仕事内容を一言で表すのは不可能です。

期間工が任されるデンソーの4つの仕事

仕事の種類は多岐に渡りますが、期間工が任されるものといえば具体的にはマシンオペレーター、機械加工、外観検査、物流の4つになります。この他にも作業はあることはあるのですが、9割方はこの4つのどれかではないでしょうか。

この4つはそれぞれ独立していることもあれば、オペレーターをしながら外観検査や機械加工、モノを運びながら(物流)の機械加工など、複合的に絡み合っていることもあります。

1.マシンオペレーター

オペレーターを任された場合、機械や設備の管理や操作を行うことになります。

1人で複数の機械・設備を管理・操作したり、複数人で複数の機械・設備を管理・操作したり内容は様々です。

大まかな流れは朝、電源を入れて設備を立ち上げ、マスターチェックで製品の良品・不良品の判定を確認。実際に製品を設備に投入し各種の工程を経て、払い出しされた製品を次工程に渡して完了となります。1日の終わりや週の終わりに設備を立ち下げ、電源を落として終了です。

オペレーターの工程には(製品や設備によるのですが)機械加工、機能検査、寸法調整など多種多様な作業があり難易度もピンキリです。

比較的に異常・不良が少なく扱いやすい設備から、異常・不良が多発し設備保全が常に張り付くような難しい設備まであります。

オペレーターは生産台数・品質管理・設備保全の3つを管理します。

扱いやすい簡単な設備なら基本的に部品を投入して出てきた製品を取り出すだけで終わるので難しくはありません。

設備の異常や品質不具合もあまり発生しないか、発生しても社員に打ち上げる程度で済みます。

これが難しい設備になると、設備が頻繁に異常や故障したりします。エラー頻度が高いものは期間工でも普通に異常処置、復旧操作を覚えさせられます。

たいてい設備の異常や故障の前後には製品の品質不具合が出て、それの確認と生産台数の低下が発生します。そして挽回のための生産とまた設備の異常や故障と、これの繰り返しになります。

職場によってマシンオペレーターを社員限定にするところもあれば、難易度が高い処置でも普通に期間工にやらせるところもあります。

2.組付け・機械加工

最もメジャーな工程がこの機械加工です。流れとしては

  1. 製品を設備にセットして作業をする
  2. 製品が加工される
  3. 取り出して次工程へ渡す

というものです。

ただセットして作業して取り出すだけの簡単なものから、やや勘やコツが必要になるものまで様々です。

組付けは本当に沢山の種類があるため全部を書ききることは出来ず、すいません。

設備には製品やその用途によって多くのものが存在します。いくつか例を挙げると

  • エアーブロー
  • プレス
  • テープカット
  • グリス塗布
  • ビス打ち など

ちなみに、機械加工と分類していますが機械・設備を使わない純粋な手作業も中には存在します。

具体的にはシール貼り、テープ貼り、グリス塗り、パレット詰替などです。

組付作業はどこでも比較的よく見られる工程で、電動ドライバーなど簡単な工具を使用したり、専用の機械を通して組付けするものもあります。

製品の生産はすべて出来高管理表で管理されており、1時間当たりの出来高、日当たりの出来高が決まっています。

1つ1つの作業はすごく簡単で慣れれば中学生くらいでもできる作業です。しかしそれを毎日・毎週・毎月と交替勤務でやっていくわけなので、集中力や根気が求められる作業です。

3.外観検査

外観検査とはその名の通り、製品の外観に異常がないか検査する工程です。

  • 肉眼による検査
  • 拡大鏡による検査(数倍)
  • 顕微鏡による検査(10~20倍)
  • モニターによる検査(数十倍)

の4種類があり、製品の大きさや検査する箇所により使い分けます。

基本的にいくつかの工程ごとに外観検査工程が設けられていて、その都度、異常や不良を取り除いていきます。

また、入庫前最終外観検査や出荷前最終外観検査といった超重要な工程もあります。

外観検査は”見る”ことが中心なので、身体的には楽な部類になります。ただし、異常や不良を見逃すと納入不良につながるので責任は重大。

また、自分の体が1つの場所に固定される、時間が経つのが遅いといったこともよく聞かれます。主に女性や年配者に向いている工程と言えるでしょう。

難易度は簡単なものから難しいもの、重要なものまでさまざまです。上述の工程ごとの外観検査は見る箇所も少なく比較的容易で、期間工が担当したりします。

逆に入庫前最終外観検査や出荷前最終外観検査などは、難易度が高く最重要でベテランの社員が担当します。

よく期間工の意見で「外観検査は楽勝」といったことが聞かれますが、それは外観検査の中でも重要度がそれほど高くない、比較的ラクな工程を担当しているからだと思われます。(急所となる工程には期間工は関われないからそのような意見があるんじゃないかと)

4.物流

物流のやることは製品や部品の運搬です。

通箱の作成・解体・洗浄・製品梱包、出荷などが主な仕事になります。

物流作業は物流課といって1つの組全体で物流業務を担当したり、組に運搬の工程(水すまし)がある場合があります。

  1. エレカや台車で完成品の入った箱をロケに運ぶ
  2. 空箱を積んで最後の工程に戻り空箱をシュートに収める
  3. また完成品の入った箱をロケに運び収める。

※必要に応じてカンバンを移動させる。

これの繰り返しになります。

製作所内での運搬業務は安全が最優先されます。製作所内で(交通)事故なんか起こしたらシャレになりませんからね。

そのためエレカのスピードや運転、台車の運びなど細心の注意が必要となります。製作所間を移動した箱は、返却された際に洗浄するのが基本で物流課ではこの業務も担当しています。

また生産の状況によって必要となる箱が異なるため、通箱の作成や解体も担当します。

デンソー期間工の作業をまとめると

デンソー期間工の作業は自動車会社のライン作業に比べて楽、という意見がよく聞かれます。

これは確かにその通りで、純粋な肉体的負荷はほとんどの工程でデンソーの方が圧倒的に少ないと思います。

ただ、デンソー期間工の作業は誰でも楽勝という訳ではありません。

各作業は標準時間を守って安全作業をしなければなりません。マシンオペレーターでも機械加工でも出来高を出し続けるのは最初のうちは大変です。

しかも交替勤務の長時間労働でやっていくわけなので、デンソーに物凄く楽勝なイメージをもって赴任すると大変かもしれませんね。

各作業のアタリハズレもあります。

マシンオペレーターでは誰でもできる簡単な工程から習熟までかなりの時間を要する難易度の高い工程まで様々で、事実、自分も最初オペレーターを任されて一人前になるまでに3か月半かかりました

また、機械加工の方も誰でもできる工程からある程度の技量が無いとできない工程までさまざまです。

とはいえ、どうにも無理そうだったらその工程は外されて別工程を任されるだけなので、仕事をサボっているとか突発休みが多いとかでなければクビになることはありません。

これからデンソー期間工になる人の参考になれば幸いです。


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