【時事】『100日後に死ぬワニ』から考えるSNS時代のコンテンツの在り方

100日後に死ぬワニ

2019年の年末からTwitterで話題になっていた『100日後に死ぬワニ』(通称100ワニ)が3月20日(金)に完結しました。

自分のタイムランにもたま~に流れてきたので存在自体は知っていましたが、完結して色々思う所があったのでまとめまてみました。

100日後に死ぬワニが流行った理由

まず最初に、なぜ『100日後に死ぬワニ』はここまで流行ったのか?  その理由について考えてみました。

100ワニは過去に前例の無いTwitter漫画だった

Twitterでは画像投稿が可能になった2011年以降、多くの自作イラスト・自作漫画が投稿されてきました。

しかしあらかじめ完結日が決まっていて終わりに向かって進んでいくTwitter漫画というものは自分の記憶する限り今まで一本もありませんでした。

今まで似たようなことをやった前例者が誰もいない・・・そりゃ話題も集めます。

基本プロットがSNSと抜群に相性が良かったから

『100日後に死ぬワニ』は文字通り、連載開始から100日後に主人公(ワニ)の死をもって幕を閉じました。

100日後に完結するだけでなく、それが主人公の死という最も劇的な幕引きと決まっているなら読者としてはどうしても気になってしまいます。

Twitterをざっと眺めてみても、

  • 〇〇日の〇〇は死への伏線なんじゃないか?
  • 〇〇の〇〇がきっかけで死ぬんじゃないか?
  • 0日目、101日目はどうなんだ?

などなど。多くの読者が昼夜を問わずこの話題で盛り上がり、最後の2,3日はTwitter全体でも大きな盛り上がりを見せました。

「死」というショッキングな結末が分かっている以上、ほのぼのとした日常系4コマ漫画からどう最後の100日目を迎えるかは非常に気になる所です。

そのため一度でも「100日後に死ぬワニ」を見たユーザーは結末が気になって、フォロー・リツイート・いいねをし、それが次の誰かの目に止まり、雪だるま式に読者を増やしていったものと思われます。

最終日が近づくにつれ、TVやYoutubeのニュース動画にも取り上げられるほどになりました。

100日間、SNSの伝播力をフルに活用できたからこそ、ここまで話題を呼んだことは想像に難くありません。

最初にこのネタを考えたのが作者なのか別の仕掛け人なのかは不明ですが、作者のきくちゆうきに嫉妬の炎を燃やしているWEB漫画家は沢山居ることでしょう笑

マーケティングの勝利

『100日後に死ぬワニ』が話題を集めたのは1.今までに前例が無かったことと2.SNSと相性が良かったことの二点が主な要因ですが、三点目としてマーケティングの成功が挙げられると思います。

最後の100日目にあたる2020年3月20日、『100日後に死ぬワニ』の今後の商業展開が発表されました。

「100日後に死ぬワニ」書籍化&映画化発表
グッズやイベントもいろいろ展開。
  • 書籍化の発表
  • アニメ映画化の発表
  • コラボ動画の公開
  • 展示会開催のお知らせ
  • グッズ販売の開始(21日から)

等々・・・

 

手際が良すぎじゃないか?(笑)

 

これまでもネットで流行ったWEB漫画や個人ブログが商業化するケースはごまんとありました。

しかし販売までには数か月~半年以上は時間がかかっていました。

仮に『100日後に死ぬワニ』が連載30日目くらいで企業の目に止まって話がトントン拍子に進んだとしても、そこからわずか2か月ちょっとでここまで体制を整えられるものなのか・・・かなり疑問です。

しかも書籍化だけでなく、一度に複数の商業展開が打ち出され芸能人やユーチューバーなどのコメント、さらにアーティストとのコラボ動画まで完了している始末。

こういうのを見せられると

『100日後に死ぬワニ』は連載開始前から商業展開することを前提に意図されていた作品なのではないか・・・?

そんな風に思えてなりませんでした。

その証拠に、100日後に死ぬワニと電通との関係は既に2chで取り沙汰されていてステルス・マーケティング(ステマ)の疑いを強くかけられています。

【悲報】「100日後に死ぬワニ」、電通による仕組まれたブームだった

【ステマ】電通さん、再生回数17000回の動画に7万回以上の高評価を付けてしまう

一般ユーザーの見えない所で実は電通がマーケティングを頑張っていた、と考えればここまで話題を集めたのも納得です。

 

自分が『100日後に死ぬワニ』はつまらないと感じた理由

それで自分が100日後に死ぬワニを大して楽しめなかった、つまらなく感じた理由について。2つあります。

Twitterで皆でワイワイガヤガヤ楽しまなかった

100日後に死ぬワニはTwitterで話題の種として使われた側面が大きくあります。

作品の内容自体が特別素晴らしいとかそういうものではありません。

そのため、TwitterはほとんどROM専の自分は流行りの輪の中に入っていなかったので、いまいち楽しめませんでした。

これは面白くないテレビ番組もネットで実況しながら見ると面白いけど、1人で見るだけじゃつまらないのと全く同じ理屈です。

企業のマーケティング臭に拒否感があった

これは完全に個人的な理由ですが、自分はウェブコンテンツといえばあくまで商業っぽさの無い個人作成のモノに価値を感じるタイプです。

だから『100日後に死ぬワニ』が過度に注目を集めていた状況を見て、上手く言葉にはできないけど何か商業的な匂いを感じていて違和感が拭えませんでした。

で、答え合わせが100日後にあったわけです。

個人作成と見せかけて裏では企業によるマーケティングがガッツリ関わってましたみたいなものはどうしても苦手なので『100日後に死ぬワニ』を自分がいまいち楽しめなかったのはある意味必然だったのかもしれません。

100日後に死ぬワニの関連大喜利は面白かった

とはいえ、100日後に死ぬワニが何一つ価値のないつまらないものだったかといえばそんなこともなく。

今すぐ有名になりたいブタGANTZパロディの101日目肩幅がデカすぎるワニなどは思わずクスッとしてしまいました。

『100日後に死ぬワニ』自体は自分にとってはつまらないものでしたが、パロディネタは盛大に笑えたのでTwitterもまだまだ捨てたもんじゃないですね。

また、『100日後に死ぬワニ』はインターネットの影響力がますます強くなるこのご時世、マーケティングにおけるSNSの重要性を肌身をもって体感させてくれた作品でもありました。

今後、自分に関係あるかどうかは分かりませんが、忘れず頭の中に留めておきたいです。

コメント