権利関係セクション10 抵当権について
※ 抵当権の4つの性質
性質1 ふじゅうせい
抵当権は担保となる債権が存在してはじめて成立し、その担保となる債権が消滅すれば抵当権も消滅する。備考として、抵当権は将来発生する債権にも設定できる。
性質2 随伴性
抵当権は担保となっている債権が移転すると一緒に移転する
性質3 不可分性
抵当権は全額を返済し終えるまで、抵当不動産の全部に効力を及ぼす。
性質4 ぶつじょうだいい性
抵当不動産が火事などで燃えてなくなってしまった場合でも、抵当権者は不動産の所有者が受け取る保険金を差し押さえて回収できる。
ただし、差し押さえは抵当権設定者が保険金を受理する前に行わなければならない。
ちなみに、ぶつじょうだいいは火災保険だけでなく賃料や売却代金にも適用できる。転貸料には適応できない。あと、損害賠償請求権や保険金請求権にも適用できる
※ ぶつじょう保証人について
ぶつじょう保証人とは、抵当権者の代わりに自分の土地に抵当権をつけてあげた人のこと。具体的には親など。
※ 抵当権の順位について
抵当権は1つの不動産に複数人が設定できる。抵当権わ合意だけで成立する。ただし、第三者に対抗するには登記が必要で、抵当権の順番は登記した順になる。複数人が抵当権を持つ場合、合意と許諾があれば抵当権の順位を変更できる。
2番目以降の抵当権者が抵当権を実行してもお金を受け取る順番は一番目の抵当権者からとなる。
ちなみに、抵当権者は元本に加えて利息のぶんも弁済を受けられる。ただし自分の後ろにも更に抵当権者がいる場合、受け取れる利息は直近の2年ぶんだけとなる。
※ 抵当権消滅請求と代価弁済について
抵当権の付いた不動産を取得した第三者が、抵当権者に抵当権の消滅請求をして、抵当権者がそれをOKすれば抵当権は消滅する。これを抵当権消滅請求という。ちなみに、しゅ債務者や保証人はたとえ第三者になったとしても抵当権消滅請求はできない。
最後に、抵当権者がわから、第三取得者に、お金を払ってくれたら抵当権を消してもいいよ、と提案するものを代価弁済という。
※ じゅうたる権利について
土地利用権である賃借権は別名、じゅうたる権利ともいう。抵当権には、その、じゅうたる権利もセットでついてくる。
※ 法定地上権について
抵当権が実行されて土地が競売にかけられた時、債務者にわそこに住む権利である法定地上権が与えられる場合がある。法定地上権が認められるのは以下の2つを満たすときだけ。
- 1 抵当権の設定当時、土地の上に建物があり所有者が同一人物だった場合。
- 2 抵当権の実行により土地と建物の所有者が別々になった場合。
※ 一括けいばいについて
抵当権の設定じに更地で、抵当権の設定後に建物が建てられた場合、抵当権者は土地と建物を一括してけいばいにかけることが認められている。ただし抵当権者が優先弁済を受けられるのは土地の代金についてだけである。
※ ふかいったいぶつとじゅうぶつについて
ふかいったいぶつは抵当権の設定時期に関わらずもっていける。じゅうぶつは抵当権設定当時にあったものだけもっていける。
※ 抵当権と賃借権の力関係について
抵当権が設定される前に設定された賃借権については、対抗要件を備えていれば賃借人の方が勝つ。
抵当権が設定された後に設定された賃借権は原則、抵当権者の方が勝つ。ただし、全ての抵当権者が同意して登記があれば対抗できる。ちなみに、抵当権が実行された場合でも賃借人は6ヵ月は建物にいられる。
※ ね抵当権について
ね抵当権は同じ性質のモノしか購入できない。
次に、いつまでの取り引きを、ね抵当権に入れるか決めるのを確定期日という。確定期日は原則5年以内に設定しなければならないが、日付を決めないのもアリ。
ね抵当権は確定されると呼びかたが元本確定に変わる。元本確定は以下の3つのパターンで迎える。
- 1 約束の期日を迎えたとき
- 2 債権者である、ね抵当権者が元本確定を請求したとき
- 3 3年経過後に債務者である、ね抵当権設定者が元本確定を請求し、2週間が経過したとき
最後に、ね抵当権は元本確定前は付従性も随伴性もない。また、利息も他の抵当権者がいても最後の2年ぶんだけといわず、げんどがく以内のぶんは全て受け取れる。
以上、権利関係セクション10 抵当権についてでした。
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